工事現場で

~暇潰し~

夕方からは、ほんとに暇なんだよ。
新潟は山の中の小さなダム現場で、アンカー工事を担当しているわけ。
うん、美女達のために少し説明をしておこう。
そう、アンカーと言っても、船の係留アンカーや建築に使うボルトを止めるアンカー、最終走者のアンカー、ニュースのアンカーマンとかいろいろあるなー。

山の斜面で地滑りを止める目的の、グラウンドアンカーと言うやつだ。雨や地震でズルズルと滑り落ちてくるかもしれない不安定な斜面に、地表面から斜め下方に直径15㎝の孔を、長さ30mほどボーリングマシンで削孔する。
弱層は地表から20mの深さまでで、地中20mより深い部分は、強固な岩盤で出来ている。

その孔の中に長さ32mの、ごついワイヤーの束を挿入する。
孔の先端5mの強固な岩盤部分に、セメントを水に溶かしたものをホースで注入して固める。
残り25m部分は固めず、自由に動くようにする。
セメントが固まったら、これで岩盤とワイヤー先端5mが固定された。
地表の2m突き出たワイヤー部分に、縦×横2mの頑丈なコンクリートの板を通し、地表に置く。

コンクリート板を土台にして、さらに残ったワイヤー部分を機器(油圧ジャッキ)でウーンと100トン位の力で引っ張ると、さすがのワイヤーもゴムのように20くらい伸びる。
伸びたところでコンクリート板とワイヤーを固定すると、ワイヤーが元に戻ろうとして、結果的にコンクリート板は100トンの力で弱層を押さえつけようとする。

このような装置を一帯にたくさん設けると、5000トンとか10000トンの力で、滑り出すかもしれない軟弱な山を引っ張り込むというか、押さえつけることが出来るという訳。
ワシも初めての工種で、ふーん、こんなやってやるんかいって感じなんだけど。

ワシは土木工事は説明が面倒だし「土方」しておるというのが簡単でいいのだが、まあ暇だし、美女達にはこのように説明しておこう。

ダム現場の一部分にそのような工事があり、宿舎(飯場)にここ一ヶ月位居るのだが、この暑いのに部屋には冷房なし、テレビなし、持ち込んだラジオ入らん、携帯入らん時多し。

一服の涼に水浴びしたりして、5時起床、7時45分ラジオ体操、氷なしの焼酎をちびちび飲んで夜10時就寝、蚊取り点け忘れると夜中にプーーンてな具合。
まこと、修行僧のような生活をしておる。

「天下の大成さんよ、このご時世、短い夏とはいえ冷房くらいは付けてくれー」。
ここ十年もワシ、現場はあまりやってないのに、急に飯場住まいは辛うござんすトホホ。
それでも暑い中、少し脂肪が落ちないかと期待している節もあるのだが。

新潟マラソン

最近、新潟マラソンに誘われた。10月13日。
フルは制限4時間で、バス収容間違いなしは判っているのでハーフにした。
制限時間書いてなかったし、フルと一緒にスタートらしい、ということは制限4時間?
4時間かかったら、もはやランニングとは言わないねー。

ということでテレテレと2時間以上でもOKと勝手に解釈。
また彼からは「ホノルルマラソンどう?」と聞かれたりするのだがあの、わんさか日本人がいるイメージと費用の面と、休暇の点でウーンと返事しておいた。
行った人からは皆「よかったー」と聞くのだけど、ワシのタイプじゃない!。といつもの食わず嫌い。

それにしても、ハーフといえども修行生活の他に、たいしてやる気がないマラソンのトレーニング、ほんとに出来るんだろかワシ?
夕飯の時間7時にきっちり決まってるし、山道暗いし、照明のとこまで車でいくの面倒。

というところで、今のところハーフ2時間以上の目標で予定している。
修行生活も9月半ばには一段落の予定。

「工事現場で」