自転車教室参加レポート5

練習を終えて

もうこれ以上人が増えたら、自信がない。人に怪我でもさせたらいけないし、少し調子の出て来た時が一番怖いから…と思い、名残惜しいが自転車を返しに行った。11時までの予定なので、この辺がいいとこかもしれない。

自転車広場で特訓していた3人も戻って来た。
「厳しい試練を課してきましたよー」とA指導員。
みんな、3人はどんなことしてきたのかな?と心配そうだ。全員バスで会館に戻り、昼食と閉講式。

感想とかアンケート取りなどで、いろんな話が出た。これから帰ってその足で自転車買いにゆきます!と元気な人もいるけど、ちょっと意気消沈気味の人もちらほら…新しいことって、なかなか一筋縄ではいかないもんです。

ここでいちおう解散となり、帰りは同じ施設の中の温泉でゆっくり汗を流してから、バスの時刻に合わせて三々五々帰路につく。
私は温泉のすぐ隣に、温泉水を利用した50Mプールがあったので、一時間ほど泳ぐ。こんなに筋肉痛じゃあ帰りが辛いので、泳いでほぐしてから帰ろうという算段だ。

プール行ってから帰ります、と行って皆に別れを告げると、校長が「Uさん、しまいにトライアスロンなんて言い出すんじゃないの」と笑っている。
まあねえ、3歳年下の弟はトライアスリートだから、確かに血は引いてるかもしれないけど、ワタシは武道がメインですからねえ。自転車は重石をはねのけたかっただけなんですよ。分かるかなー?この気持ち…。

泳いで温泉にも浸かって、皆よりも1時間遅いのでもう誰もいないだろうと思ってたら、3人だけバス停に残っていた。
自転車広場に戻った同室の人を労って、お互いに様子を聞いたり励ましたりする為に残っていたらしい。一緒に三島まで出てから、それぞれ違う方向へ。

二日間、一緒に頑張ったこの17人も、それぞれの生活に戻ってゆく。その中で自転車がどういう関わりかたをするか、この合宿に参加したことで生活が変わるのか変わらないのかは、知らない。でもほとんどが一人で参加した人ばかりで、みな真剣そのものだった。

Y校長なんて、スポーツマンらしく余計な心配しない割り切り方で、後ろからかかった気合は、ただ「自転車に乗る、その場を自転車で漕ぎ抜けること」だけが、ピュアな目的としてそこにあった。
これってスポーツの醍醐味だし、武道の先生にも通じるものがある。きっと競輪の選手なんかには、凄いシビアなんだろうなあ…
私たちママチャリ乗れさえすればいいんだから、って教え方じゃないもんね、この合宿は。いい経験でした。

後日談

帰ってから、まだ公道をスイスイ走るにはほど遠いので、どうしたものかと考えた。
Y校長も、「ここで走れても、まだ街中では乗れません」ということだったが、とにかくもう少し慣れたいので、続けなくてはいけない。

マンションの駐輪場をつらつら眺めると、ここはマウンテンバイクが多い。息子の通勤用の自転車を見ると、これがなんと、バリバリのママチャリ。なんじゃい、オトコの癖に。
帰宅が深夜のことが多い息子の目を盗んで、こっそりまたがってみると、悠々と足がつくじゃあないですか。おいおい、私と息子の身長差、15センチ以上はある筈。
まあ子供の頃はほとんど乗らなくて、最近会社を替わってから通勤に乗っているだけなので仕方ないけど…。これなら私にも乗れそう、と思うが、ほとんど家に置いてない。

そこで、近所の自転車屋やさんで、手ごろなやつを注文した。ママチャリの中では高級なほうらしい。
自転車は通販もあるが、後のメンテナンスもあるし、何よりも組み立て技術によって品質に差が出るということなので、地元で昔からやってる自転車屋さんに頼ることにした。
そしたら、うちのマンションにはお得意さんが多いということで、組み立て終わったら家まで運んできてくれたので、いきなりお店から乗って帰らなくちゃあ…という心配はしなくて済んだ。

説明も丁寧で、不具合があったりカゴなど付け換える時には、電話してくれればいつでも来ます、ということだった。

夜になって恐る恐る乗って近所を徘徊してみるが、ちょっとまだ怖い。事故でも起すと元も子もないので、東京で練習できる場所を探して、暇を見つけては、もう少し練習してみることにした。

神宮外苑サイクリングコース

ネットで探した、神宮のサイクリングセンターに行ってみる。
日曜・祭日だけの開催だが、無料で自転車も貸し出してくれるし、初心者練習場もあるようだ。
しかし子供と一緒なので、まるきり初めてだと、こっぱずかしいかも知れない。子供を連れてきてる親に、しげしげと観察されてしまいそうだ。

それでも試しに行ってみると、けっこう開放的な雰囲気なので安心して、自転車を借りてから「混ぜてくださ~い」と練習場に行く。
その時は別に申し込みも何も必要無かったので、そのまま係員のオジサンに見守られながら、子供に混じってバランス取りから始める。

「おー乗れる乗れる。いいねいいね~♪」とオジサン。
そりゃーあんなに苦労して練習して来たんですからね。お尻がまる一週間、痛かったですよ。
でももう大丈夫。お尻が慣れてきたのか、体重のかけかたが上手になったのか、少々乗っても平気になった。

しばらく練習していると、指導員らしいオジサン達が2~3人集まって、練習している人を見ながら相談している。
「だいぶ乗れるようになったから、そのへん一周しに行きましょうか」と言われて、サイクリングコースを指導員の人が伴走してくれることになった。

「ここが走れればね、街中でも条件は同じですよ」と伴走のオジサン。
周回コースは1.2kmだが、信号や横断歩道もあるし、人通りの多い場所や少し車の多い場所もあり、確かに条件的には専用練習場よりも街中に近い。

世間話をしながら一緒に2周したが、けっこう楽しかった。
「この年までね~乗る機会が無くって、何となく一念発起したんですよ」
「いっぱい居ますよ、そういう人。乗れるようになったらね、今日はあのへん紅葉が綺麗だなーとか、行動半径広がって楽しいですよ。むしろ年取ってからのほうが、そういうの必要ですよねェ」

オジサン達はみんな往年の競輪選手で、引退してからボランティアで、こういう指導をしているのだそうだ。みんな細めだけど強靭そうな体つきで、優しいけどサッパリした、いい感じの人ばっかりだ。

水泳仲間でも、あの合宿に行くと言ってる人がいるので、少し予習のために、この神宮外苑コースの話をしてみた。この人は私と同世代な上に体力もないので、いきなりあの合宿はきついだろう。少しまたがってみるだけでも、楽になるだろうし。

そしたら早速、自分で行って練習したらしく、お尻が痛い痛いと言っていた。
その後、何回かこの練習場を見に行ったが、毎回見るたんびに、けっこう老齢の、オジサンやらオバサンが参加しているのを見かけるので、それなりに需要があるのだろう。

私が参加した時とは、少し参加条件やルールが変わっているようなので、興味のある方は確認して欲しい。

神宮外苑サイクリングコース

女性のための自転車教室

自転車教室5/5