中之島の港で
中之島(人口167人)に着くと、R氏がフェリーからカブ号を出してくる。バイクがポロポローと軽い音を発して出て来るや、いきなり岸壁で難しい顔をした紺色の作業服のおじさんに止められて、注意されている。
紺色おじさん「ノーヘルはいかんよ、ノーヘルは!道路外といえども、場合によっては切符切るからね!」
紺色おじさんは吐噶喇列島でただ唯一の、駐在さんであった。
下船早々、はなから調子悪いが、まずは村役場出張所を訪ねて、キャンプ地の許しを貰おう。
これら挨拶はなぜか、これまでの慣例からして、R氏が事にあたることが多い。
R氏は好き嫌いが激しく、決して人当たりが良い訳ではない。
しかし予想外にうまく情報を仕入れてしてくることがあり、それがたとえ初対面であっても、ずうずうしくあれこれ要求を出して、総合的に収穫が多いことがある。
時には何か食べ物を貰ってくることもあるので、なかなかあなどれないのである。
平島の岩場-釣れそう | 頼もしく感じるとしま |
キャンプ場
キャンプ場は災害で破損しているとのことで、キャンプ地は村役場の案内で、集落真ん中のミニ公園となった。もちろん無料。しかしこの地では、ブヨの多さに参った。
公園までわざわざ出向いて我らに説明をしてくれる役場職員から、今年は例年になくブヨが多いと聞いた。
昨年は台風や大雨が来なかったので、そのため沢が洗われて掃除されることなく経過したので、今年はブヨが異常発生しているとのことである。
これまでの経験から、ブヨはどんなに数多くいても、夕刻の電灯をが必要な程度まで暗くなると、スーと何処かにいなくなる。暗くなってから、ヘッドランプで行動するのが良いようだ。
幾つか無料温泉があるが、利用しやすいのは西区温泉と東区温泉で、24時間入浴可。いずれも道路脇に防波堤を壁にして作られている。
連日、深夜だろうが早朝だろうが入浴三昧のワシ。いつもワシ一人であったが。
はい、キャンプ | こんな食糧で | この植物何だろう |
西区温泉 | 東区温泉> | 魚を日干しにする |
小魚しか釣れん |
面白いのは、トカラの島々の多くに、御嶽という名の山があることだ。
中之島御嶽、平島御嶽、諏訪瀬島御嶽、悪石島御嶽、臥蛇島御嶽。
昨夜からは風波強く、「としま」欠航のアナウンスが流れる。
早くもスケジュールに変更を余儀なくされることになった。
島に商店が一軒あるが、そこでは最低限の品数を販売、そして開店時間は朝と夕方など短時間で、あとは畑作業に行ったりして閉まっている。
商店のおばさん、我らがキャンプしていることを知ると、「さあ、取り立ての新玉葱あげようね」と数個を頂いた。
店頭にアンパンが山になって、百個以上も台の上に乗っている。
おばさん不機嫌そうに「まったく、食品問屋は!アンパンも少し混ぜてと注文したら、アンパンばっかり何箱もよこしてから!こんな小さな島で、アンパンがこんなに売れる訳ないでしょうに!今度怒ってやらにゃ!」
それじゃアンパン少し買うか。
天然記念物トカラ馬-小さい | 御嶽山頂 | 商店 |
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